クロス 補聴器 装着する、では無く、新たな体の一部として認識させる

人の耳は2チャンネルです。
ですから左右の音の違いで、音の発生源が右か左か中央か等、ある程度の判定が出来ますが、前後の違いは分からないはずです。
しかし 片耳難聴 者と違い、健聴者の方は聞き分ける事が出来ます。
それは耳の複雑な形(耳輪や対輪等)により、前から来る音と後ろから来る音の音質差を赤ちゃんの頃から学習した事によって出来るようになったのでは?と、上司Bとカウンセリングの中で見いだしました(合っているかは不明)。

そこで上司Bから提案を頂きました。
クロス 補聴器 を装着し、遠近、左右、前後等の音質差を「赤ちゃんが身につけるように再学習」してみよう、と。

◆再学習で試した事

・口笛の音

近く→音の輪郭がしっかりして、耳にスっと入ってきた。
遠く→離れる事で音が拡散・分散しているため、鋭さが近くの時より減った。

・拍手の音

近く→パンっと音の輪郭がしっかりとわかった。
遠く→空中に広がって、音が拡散されたような感じに聴こえる。

・「秋山」と言葉の発する時の音

近く→「あきやま」とくっきりと聴こえた。
遠く→あきやまの「あ」の部分が外に広がって、「ぁきやま」と聴こえた。

・前後

テレビをつけて、約3メートル離れたところから前向きと後向きになり、クロス 補聴器 を装着時と外し時で分けて、聞こえ方の違いを感じる実験をした。

結果としては、前後には違いはみられなかった。
空間内の反響音からの違いは感じ取れたが、前後の違いは判らなかった。
この反響音の違いを繰り返し聞き比べ、学習して行くと、前後が感じられようになるかもしれない。

◆結論

クロス 補聴器 はただ「装着」しただけでは機材は勿論、装着者自身の能力を引き出す事は出来ないのだと感じました。
逆に、意識して使いこなす事により、「聞き取る力」が拡張して行くと思います。
このサイトにいらしている方々は、 片耳難聴 の話だけでなく、 クロス 補聴器 に興味があったり、購入を検討していらっしゃる方が多いと思います。
1度装着して、止めてしまった方もいらっしゃると思います。
是非、販売店の方とよく相談し、一年はトレーニングをされることをお勧め致します。